〜スモールビジネス経営者が陥りがちな【囚われ】のワナ〜
- 「昔からこの商品でやってきたし…」
- 「お客様に喜んでもらいたくて、ずっと価格は据え置きなんです」
- 「お客さんの声があるから、やめる理由がない」
でもふと気づけば、利益率は低く、忙しいばかり。新しい打ち手も出せず、頭打ち感。
これ、あなたのビジネスにも思い当たる節はありませんか?
もしそうなら、一度立ち止まって考えてみてください。
それって「こだわり」ですか?
それとも、進化を止める【囚われ】になっていませんか?
ここではこだわりと、囚われの違いについて解説してい ます。
1. 売上が伸びない本当の理由は、「足りない」より「捨てていない」
スモールビジネスのオーナーがつい陥りがちなのが、
- 「もっと商品を増やせば売れる」
- 「もっとサービスを充実させれば満足度が上がる」
- 「もっと手厚くすればリピートされる」
という足し算思考です。
でも実は、売上と余白を両立させている経営者に共通するのは、
「何を手放すか」を先に決めている、という点です。
つまり、何をやるかでなく、何をやらないかを決めると言うこと。
- あえてやめた商品
- あえて狭めたターゲット
- あえて捨てた昔ウケたやり方
それらを削ることで、結果として「今の時代・今のお客様に刺さる」価値が際立ちます。
つまり、「商品や事業の進化」は、引き算から始まるのです。
2. 実例:値上げできなかったコンサル業の社長が手放したもの
ある女性経営者(40代・コーチ業)からのご相談。
- 月の売上は安定しているが、利益率が低い
- 値上げをしたいが、反応が悪くなるのが怖い
- サービスの見直しをしたいが、何を切っていいのかわからない
話を聞くと、彼女には「絶対にやめられない」と思い込んでいる習慣がありました。
それが、「超・丁寧なアフターフォロー」
毎回の契約後、LINEで日々のやり取り。資料も個別カスタマイズ。
「この気配りがウリだから」と自負していたのですが…
顧客ヒアリングをすると、
「ありがたいけど、ちょっとプレッシャー」
「気を使ってしまって、逆に質問しづらくなる」
という声が続出。
さらに、過去の契約成約率や継続率を分析しても、
この手厚すぎるフォローが売上や満足度に大きく貢献していないことが判明。
彼女は思い切って「アフターサポートは希望制」に変更することに。
その分、時間が空き、新サービス設計に取り組むことができるようになりました。
結果的に、1.5倍の価格でも新規申込みが増加。
さらに、彼女の「本質的な価値」にフォーカスしたことで、客層も変化。
仕事も時間も、無理なく質を上げられるようになりました。
3. 「今の市場」に合わせて、こだわりを問い直す
ビジネスを続けていると、いつの間にか「昔うまくいったやり方」を軸に考えてしまいます。
でも、時代は変わる。お客さんも、競合も、価値基準も変わる。
ならば当然、「こだわり」も問い直す必要があるのです。
- その商品、今の市場にも必要とされてる?
- その価格、本当に「顧客にも自分にも」ちょうどいい?
- そのサービスのやり方、そもそも誰のため?
過去を否定するのではなく、今に最適化する。
その姿勢こそ、進化を続ける経営者に共通する資質です。
4. ポジショニングは、仮説でいい。むしろ育てるもの。
「うちはこれが強みだ」と言い切ることは、確かに大事です。
でも、それを“固定化”してしまうと、ビジネスが止まります。
ポジショニングとは、
- 過去の経験から見出し
- 今の顧客に合わせて磨き
- 未来に向けて育て続けるもの
つまり、進化する仮説です。正解なんて、最初からどこにもない。
だからこそ、問い直し続ける姿勢が差を生みます。
5. まとめ:売上と自由を両立するなら、「やらないこと」を決めよう
スモールビジネスで収益を上げながら、時間のゆとりも持ちたいなら、
「何をするか」ではなく、「何をやめるか」から始めましょう。
✔ 価格が上がらないのは、価値がないのではなく“見えにくい”だけ
✔ サービスが伝わらないのは、要素が多すぎて“選べない”から
✔ 忙しいのは、必要のないものに“付き合い続けている”だけ
あなたのビジネスを、もっと軽く。もっと尖らせるために。
やらないこと”を、今ここで、決めてみませんか?
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